祝婚歌

2002年4月18日
今日もKちゃんと何となく
ありきたりの会話をして見送った。
ちょっと切ない・・・。
することもなくて、テレビを見ていたら
とある老アナウンサーの告別式が中継されていた
その人が生前吹き込んだという詩の朗読が
ずっと流れていた

急いで検索をして、全文を拾った
そして夜、帰ってきたKちゃんに見せた
何度も何度も読み返すとKちゃんは
「考えさせられるね」とぽつり
それきり黙って詩を見つめていた

二人で寄り添って、かみしめながら読んだ
よかったら皆さんも読んでみてね

祝婚歌

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい

そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

(吉野弘)

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